大切なペットが病気にならないためにできること
大切な家族であるペットが少しでも長生きできるよう、しっかりとした予防対策をおこなってください。フィラリア感染の予防やノミ・ダニ対策などをご紹介します。
ワンちゃん、ネコちゃんは、人間のように言葉で「痛い」「気分が悪い」などと言うことができません。言葉で意思疎通がはかれないだけに、どうしても早期に病気を見つけることが難しくなってきます。
また、ワンちゃん、ネコちゃんは、寿命が人間と比べると短く、同じ動物同士で感染する病気や、一旦かかると死亡率が高い怖い病気もあります。
だからこそ、ワクチンの接種などで、さまざまな病気や寄生虫から予防することが大切です。大切なペットが長く健康でいられるように、ぜひ当院で定期的にワクチンの接種や検診を受けてください。
きちんと予防することで感染を防ぐことができます。月齢や季節に応じた接種スケジュールなども詳しくお伝えしますので、お気軽にご相談ください。
予防接種の種類
狂犬病予防接種
狂犬病は、一度発症すると100%死に至るとされる怖い病気です。日本国内では1957年に根絶され、現在発症が確認されていない伝染病ですが、日本の周辺国を含めて海外で依然発症が確認されています。
いつどのような形で海外からこの病気が入ってくるかわからないため、日本では法令により、すべての犬に対し1年に1回の狂犬病予防接種が義務付けられています。
生後3カ月以上の健康なワンちゃんは必ず接種してください。ワクチン接種が終わったら市区町村への登録をおこないます。
※毎年4月から新年度の狂犬病予防接種が受けられるようになります。市町村からはがきが届いていましたら、ご記入のうえご持参ください
混合ワクチン接種
季節や年齢に応じてかかる可能性のある、ウイルスによる伝染病の予防注射です。伝染病の中にはワンちゃん同士で感染する危険性があるものもあり、混合ワクチンを打たずにこれらの伝染病に感染すると、特効薬がないので死亡率が90%以上となる場合があります。
きちんと予防することで感染は防げますので、動物病院で計画的にワクチンを投与してあげることが大事です。
★1回目のワクチン接種は生後6~8週齢におこないます。
【目安】
生後2カ月:1回目ワクチン
生後3カ月:2回目ワクチン
生後4カ月:3回目ワクチン
大切なペットの生涯ワクチン計画もアドバイスいたします。
フィラリア予防
フィラリア症は、蚊の吸血によって感染する病気です。日本には蚊が多く、たとえ室内で暮らしていてもかかる可能性は高く、予防薬の投与が必要です。
蚊を媒体として、犬から犬へうつり、夏を中心に蚊が存在するシーズンに感染率が上がります。
感染すると、15~30cmくらいの細長い虫(犬系状虫)が心臓および肺動脈に寄生するため、治療がとても難しくなってしまいます。
なお、フィラリア症は犬ばかりでなく、猫にも意外と多い病気です。ネコちゃんにもフィラリア対策をおすすめします。
症状
※5月~12月(蚊が出なくなって1カ月後が目安)まで、1カ月に1回予防薬を飲ませることによって100%予防できます。
蚊が活動する期間は地域で異なりますので、獣医師にご確認ください。
※薬のタイプは、飲み薬と、首の後ろに薬液をつける外用薬タイプがありますので、ご希望をお伝えください。
ノミ・ダニ予防
ノミやダニがワンちゃんネコちゃんに寄生すると、血を吸われた箇所に激しいかゆみが出るだけではなく、「ノミアレルギー皮膚炎」やマダニが媒介する「犬バベシア症」などの病気を引き起こす可能性もあります。
特に4月~12月はマダニの増える時期。しっかりした予防が大切です。
散歩などで、外からダニやノミが持ち込まれ室内に入ってしまうと、それらがたたみやカーペットに卵を産みつけることによって、ますます数が増えてしまいます。そうなると、完全に駆除するのにかなりの時間と労力がかかりますので、早めの予防をおすすめします。
身体にスプレーするお薬、首に垂らすお薬と飲み薬があります。予防効果は約1カ月ほど。ペットの種類や大きさによっても効果が変わりますので、詳しくは獣医師におたずねください。